名作照明「PHシリーズ」のタイムレスな魅力
1920年代以来、名作照明として衰えることのない人気を誇るPHシリーズの照明。ポール・ヘニングセンがデザインし、ルイスポールセンが販売する美しい照明の歴史をHouzzデンマーク版に寄稿する専門家が解説しました。
PHシリーズの生みの親、ポール・ヘニングセンは1894年にコペンハーゲンで、作家カール・エワルドと女優のアグネス・ヘニングセンの間に生まれました。今日では「PH」というイニシャルを冠した名作照明のデザイナーとして世界的に有名なヘニングセンですが、生前は建築家、批評家、映像作家としても活躍しました。ルイスポールセンとのパートナーシップが始まったのは1925年、有名な3枚シェードで光を反射・拡散する照明シリーズの最初の作品を制作したときのことでした。以来、ヘニングセンの生涯にわたって、協力関係は続きました。
PH アーティチョーク(1958年)
1958年、ヘニングセンはコペンハーゲンにあるレストラン、ランジェリン・パヴィリオンのために「PH アーティチョーク」をデザインしました。同レストランでは今もこの照明を使っています。レストランからヘニングセンへのリクエストは「お客様を魅惑する照明」。ヘニングセンは1927年から1931年にかけて考案したデザインをもとにこの照明をつくりだしました。
元になったのは7枚のガラスシェードをもつ「PH セプティマ」。1940年まで生産されていたものの、戦時中は物資不足で生産中止となっていたこの照明を元に、ヘニングセンはわずか3ヵ月で「PH アーティチョーク」を完成させました。
1958年、ヘニングセンはコペンハーゲンにあるレストラン、ランジェリン・パヴィリオンのために「PH アーティチョーク」をデザインしました。同レストランでは今もこの照明を使っています。レストランからヘニングセンへのリクエストは「お客様を魅惑する照明」。ヘニングセンは1927年から1931年にかけて考案したデザインをもとにこの照明をつくりだしました。
元になったのは7枚のガラスシェードをもつ「PH セプティマ」。1940年まで生産されていたものの、戦時中は物資不足で生産中止となっていたこの照明を元に、ヘニングセンはわずか3ヵ月で「PH アーティチョーク」を完成させました。
独自の3枚シェードシステム
ヘニングセンのアイコンである3枚シェードシステムが生まれるきっかけとなったのは、1924年から25年にかけてパリで開催された工芸博覧会です。この博覧会は、ルイスポールセンとのパートナーシップのきっかけともなりました。その後、目にまぶしくない完璧な光をつくるために生まれたのが3枚シェードのシステムでした。シェードは光を絶妙にコントロールし、心地よく柔らかな陰影をつくりだします。
PHシリーズの時代を超えたアイコンとなった3枚シェードシステムには、さまざまな色とバリエーションがあり、サイズと色を自在に組み合わせることができます。オリジナルでは、シェードはメタル製で、内側を白、ゴールド、シルバーに塗装しており、光を拡散したり、あたたかみをくわえたり、クールにしたりする効果があります。その後、ガラス製のシェードもつくられるようになりました。
ヘニングセンのアイコンである3枚シェードシステムが生まれるきっかけとなったのは、1924年から25年にかけてパリで開催された工芸博覧会です。この博覧会は、ルイスポールセンとのパートナーシップのきっかけともなりました。その後、目にまぶしくない完璧な光をつくるために生まれたのが3枚シェードのシステムでした。シェードは光を絶妙にコントロールし、心地よく柔らかな陰影をつくりだします。
PHシリーズの時代を超えたアイコンとなった3枚シェードシステムには、さまざまな色とバリエーションがあり、サイズと色を自在に組み合わせることができます。オリジナルでは、シェードはメタル製で、内側を白、ゴールド、シルバーに塗装しており、光を拡散したり、あたたかみをくわえたり、クールにしたりする効果があります。その後、ガラス製のシェードもつくられるようになりました。
手仕事でつくられる名作
「PH アーティチョーク」のオリジナルで彫刻的なデザインは、名作照明としては国際的に高く評価されています。製造過程の多くに手仕事が必要となるため、価格は安くありません。12段に重なる計72枚のシェードにより、どの角度から見てもグレア(目を刺激する光)のない、良質な光を放ちます。
「PH アーティチョーク」のオリジナルで彫刻的なデザインは、名作照明としては国際的に高く評価されています。製造過程の多くに手仕事が必要となるため、価格は安くありません。12段に重なる計72枚のシェードにより、どの角度から見てもグレア(目を刺激する光)のない、良質な光を放ちます。
サイズとフォルム
機能美から作り出されたその形状が似ていることから、「PH アーティチョーク」という製品名がつけられ、当初は直径84センチ、72センチ、60センチの3つのサイズが生産されていましたが、高い要望をうけて、その後、48センチという小型タイプも製造されるようになりました。個人住宅にもぴったりなサイズです。
機能美から作り出されたその形状が似ていることから、「PH アーティチョーク」という製品名がつけられ、当初は直径84センチ、72センチ、60センチの3つのサイズが生産されていましたが、高い要望をうけて、その後、48センチという小型タイプも製造されるようになりました。個人住宅にもぴったりなサイズです。
バリエーション
シェードの仕上げはこれまで3種(銅ヘアライン仕上げ、ステンレスヘアライン仕上げ、スティール白色塗装)でしたが、2008年にはエクスクリーシヴ・ヴァージョンのガラス製、2016年よりステンレス光沢仕上げが加わりました。
シェードの仕上げはこれまで3種(銅ヘアライン仕上げ、ステンレスヘアライン仕上げ、スティール白色塗装)でしたが、2008年にはエクスクリーシヴ・ヴァージョンのガラス製、2016年よりステンレス光沢仕上げが加わりました。
「PH 5」シリーズ
4枚シェードの「PH 5」シリーズは、1958年にダイニングテーブル用に低く吊るランプとして発売され、現在まで高い人気を集めてきました。
現在では、写真の「PH 5 コンテンポラリー」(全4色)のほか、発売当時のPH5に最も近い「PH 5 クラシック」、光沢仕上げの「PH 50」(全5色)の10種が製造されています。
4枚シェードの「PH 5」シリーズは、1958年にダイニングテーブル用に低く吊るランプとして発売され、現在まで高い人気を集めてきました。
現在では、写真の「PH 5 コンテンポラリー」(全4色)のほか、発売当時のPH5に最も近い「PH 5 クラシック」、光沢仕上げの「PH 50」(全5色)の10種が製造されています。
「PH 3/2 テーブル」
29センチのシェードの下に小さなシェードを重ねたテーブルランプ。シェードはハンドメイドの乳白ガラス、支柱とベースは真鍮。
1927年の発表後、1998年に復刻されて以来、変わらぬフォルムで人気のテーブルランプです。
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29センチのシェードの下に小さなシェードを重ねたテーブルランプ。シェードはハンドメイドの乳白ガラス、支柱とベースは真鍮。
1927年の発表後、1998年に復刻されて以来、変わらぬフォルムで人気のテーブルランプです。
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2014年9月9日に生誕120周年を迎えたヘニングセン。これを記念してルイスポールセンは「PH 3½–3」を発売しました。1920年代後半から1930年代前半にかけてヘニングセンが描いていたスケッチを元に制作されたものです。