インテリアを進化させるモダンな「障子」のとりいれかた
和のイメージが強い障子ですが、実は現代住宅にも馴染むモダンなデザイン美と機能美を合わせ持つ建具です。この記事では、国内外の障子のある空間から、今ふうの使い方をご紹介します。
障子とは、縦横に細い桟を入れた木枠(組子)に紙(もしくは布やガラス)を張った明かりを通す建具で、日本家屋には欠かせない存在です。平安時代に発展し、江戸時代にさまざまな組子が増えましたが、昭和に入ってからは谷崎潤一郎が随筆『陰翳礼讃』で記したように、あらめて障子の「ほの明るさ」や、障子があるからこその室内の「陰影」が美しいと認識されました。
今はどうでしょうか。残念ながら日本家屋の減少とともに、障子は住まいや暮らしの必須アイテムとはいえない状況ですが、現代でも住宅デザインのアクセントとしてモダンな住宅に採用する人は多くいます。今ならではの障子のデザイン、意外な機能性、とりいれかたに注目してみましょう。きっと障子を使いたくなるはずです!
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滋賀県の〈FORM/木村浩一建築研究所〉の《表象の家》につくられた、オリジナルの木枠が存在感を放つ和室です。ベーシックなデザインではなく、あえてこのような障子にしたことで、ほかにないような和モダン空間に仕上がっています。
また、実は障子は断熱性の高さも魅力。金属サッシの二重窓よりも、一重窓+熱伝導率の低い木製建具(室内側)にしたほうが熱損失の面で有利だといわれています。
また、実は障子は断熱性の高さも魅力。金属サッシの二重窓よりも、一重窓+熱伝導率の低い木製建具(室内側)にしたほうが熱損失の面で有利だといわれています。
1つの空間に障子をリズミカルに並べたデザイン性に注目したい事例は〈アトリエハコ建築設計事務所〉の《トールハウス・フルハウス》。さらには回転する障子という見たこともないアイデアは、まさに障子の進化といえるでしょう。
また障子は、採光を叶えつつも目隠しとしてカーテン代わりになります。明かりをつけたときのレースカーテンのように、外からの目線が気になりにくいのも優秀なポイントです。
また障子は、採光を叶えつつも目隠しとしてカーテン代わりになります。明かりをつけたときのレースカーテンのように、外からの目線が気になりにくいのも優秀なポイントです。
LDKでひと際目を引くユニット和室のような空間。〈戸田晃建築設計事務所〉による《有楽の家》は、雪見障子で折れ戸というアイデアに注目です。開けばLDKとつながり、閉じれば落ち着く畳スペースに、という今の住宅にぴったりの可変性。和空間への扉として障子を使用し、ゆるく空間を繋いでフレキシブルな暮らしができるとは、意外な発見です。
3. 間仕切りに障子という選択
現代住宅の間仕切りに、オリジナルの障子を使用した例です。〈セイワビルマスター〉による《ジャパニーズモダン テイスト》と題したリノベーション事例です。白を基調としたベーシックな空間のアクセントになっています。障子は窓際だけのものではなく、室内のあらゆる場所で検討できるということが分かる事例です。
現代住宅の間仕切りに、オリジナルの障子を使用した例です。〈セイワビルマスター〉による《ジャパニーズモダン テイスト》と題したリノベーション事例です。白を基調としたベーシックな空間のアクセントになっています。障子は窓際だけのものではなく、室内のあらゆる場所で検討できるということが分かる事例です。
今ふうのミニマムなLDKにおいて、和室部分だけでなく、全ての戸が障子という興味深い空間。〈アルツ デザイン オフィス〉の離れのプロジェクト《Ritto House》です。障子には、ナチュラルな天井やフローリングと調和する意外性もあります。間仕切りだけで和をとりいれるというのも、ミックス感のあるセンスをアピールできそうです。
4. 逆輸入したい世界の実例
海外の発想ならではといえるでしょう。こちらのイギリス、ロンドンの家は、なんと前室とバスルームの間に、プラスチック素材で強化されているであろう障子を採用しています。和紙特有のニュアンスはないかもしれませんが、面白いとりいれかたです。また、奥の空間を借景のように切り取れるのは、障子の持ち味だと気づかせてくれます。
海外の発想ならではといえるでしょう。こちらのイギリス、ロンドンの家は、なんと前室とバスルームの間に、プラスチック素材で強化されているであろう障子を採用しています。和紙特有のニュアンスはないかもしれませんが、面白いとりいれかたです。また、奥の空間を借景のように切り取れるのは、障子の持ち味だと気づかせてくれます。
オーストラリアのブリスベンにある戸建て住宅のシックな洗面台と障子。明暗が不思議なバランス感です。高級感のあるトイレ空間に仕上がっています。水に強い障子を選んで、トイレとバスが同居するホテルライクな空間の間仕切りにするのも1つのアイデアです。
吹き抜けの高窓に障子をとりつけ、柔らかな光が室内に届くよう工夫された、アメリカ、ワシントンDCの新築戸建て住宅。外から見たときの、障子のはっとする美しさも教えてくれます。また、室内外にしつらえた高度なライティングは、障子を引き立たせたいという住む人のこだわりなのでしょう。
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障子といえば荒く組まれたスクエアデザインを思い浮かべますが、〈イシウエヨシヒロ建築設計事務所〉の《Lolo》に使われているのは常識をくつがえすデザイン。長さの違う水平方向の組子が印象的で、モダンな現代住宅の和室だと一目で分かります。
柔らかな光が差し込む障子から、パネルのような障子までの陰影にも美しさを感じます。