Nj邸
敷地の四周は、都道（山手通り）、目黒区道、私道及び水路に囲まれており、それぞれが傾斜していて、最大４ｍ近い高低差があります。このように複雑な高低差を持ち、南北に細長い狭小敷地の中で、出来るだけ敷地にフィットした幅広の建物を計画する事が求められました。
施主は敷地に隣接するクリニックの開業医。建物は、地階に院長の事務所、1階にビルエントランスと調剤薬局、その上階に2世帯のメゾネット住戸と共用のゲストルームを積み上げた構成で、敷地高低差を利用して駐車場をスキップさせて半地階とした断面計画としました。
施主の第一の要望は山手通りの交通騒音の遮断。また、西日を避け、敷地南端部から出来るだけ採光を取ることでした。そこで、南端部にバルコニーを設置して、リビングダイニング、主寝室等への採光を確保する一方、東西壁面は、騒音と西日への対策のため、開口部を縦長の滑り出し窓に限定しています。
また、山手通りは敷地周辺で緩やかにカーブしており、建物はそれに呼応するように東面をゆるやかな曲面として敷地形状にフィットさせています。
外壁タイルは濃い緑色となりましたが、軒天、バルコニー手摺等にアクセント色として白色を、また部分的に中間色の薄緑色の吹付け塗装部を配置して、建物全体の色調バランスを整えました。